スピン3以上のゲージ場(1)

物理に於ける代数的なテンソル計算の例 http://d.hatena.ne.jp/m-a-o/20170131#p1 の"おまけ"の続き。 狭い意味では、ゲージ場は定義によってスピン1であるけども、higher spin gauge fieldという言葉は(最近では?)一般的に使われているようなので、それを踏…

ノンパラメトリックベイズ(0.5)Dirichlet Process Mixture ModelとInfinite GMM

Dirichlet process mixture model(DPMM)とinfinite Gaussian mixture model。まだ実装していないので(0.5)。infinite GMMを実装したら、次はinfinite HMMを理解したい 普通、サンプルデータを混合ガウス分布でfittingしようとする時、混合数は、人間が手動で…

ノンパラメトリックベイズ(0)適応的棄却サンプリング

もうブームは去った気がするけど、ノンパラメトリックベイズの勉強をすることにした。統計学とかで、パラメトリックモデル/ノンパラメトリックモデルという概念があるけど、それとは関係ないように見える。infinite GMMを実装しようとしたら、適応的棄却サン…

大雑把ではあるが お住まい Gr(2,N) $M_{0,N}$ P^1(C) 線形 wave equation (一般化)超幾何関数 Gauss超幾何関数 非線形 GASDYM方程式 Schlesinger Painleve VI 量子論(非線形) KZ equation 量子Painleve VI というような対応表がありそう。 非線形と書いてい…

ただの多次元配列は如何にテンソルか

何となく検索してみた結果、世間には ・ただの多次元配列はテンソルじゃない ・テンソルは多次元配列と思って問題ない(「問題ない」という言い方は、"厳密に言うと正しくない(不正確だ)けど..."というニュアンスを感じる) ・テンソルは多次元配列である とい…

物理に於ける代数的なテンソル計算の例

特に新しい話(tensorネットワークとか、そういうの)はない その1。弾性係数テンソルは、2階の歪テンソルから、2階の応力テンソルへの線形変換である。面倒なので、添字を全部おろしておくとする。$V$を$O(3)$の3次元表現として、弾性係数テンソルは単純には…

一般に、滑らかな多様体X上の主G束Pがあると、associated bundleの構成によって、G-表現の圏Rep(G)からベクトル束の圏Vect(X)への関手が作られる。それぞれ、K群を作って、表現環R(G)から、K(X)への環準同型が得られることになる(特に名前はないっぽい)。引…

SBMLによる生化学ネットワークの記述と計算

SBMLは、Systems Biology Markup Languageの略。シグナル伝達や代謝系などの生化学ネットワークのモデルを形式的に記述するXML仕様で、2000年頃から継続的に策定と改訂が行われているらしい。生物分野で古典的な数理モデルといえば、酵素反応速度論(Michaeli…

調和振動子の対称性とspectrum generating algebra

ただのSegal-Shale-Weil表現(振動子表現という名前もある)の話。無限次元既約ユニタリー表現の研究は、Lorentz群やPoincare群で始まったけど、ある意味では、それより以前から知られていた、最初の無限次元既約ユニタリー表現の例でもある。 水素原子の表現…

最近見た面白い論文のコーナーSpecial functions and the Mellin transforms of Laguerre and Hermite functions https://arxiv.org/abs/math-ph/0612085 Hermite多項式とLaguerre多項式のMellin変換は、ゼロ点がRe(s)=1/2上にある(そして、全て単純零点)と…

HOL Lightの実装を理解したい(0)

理解したい。問題は、OCaml読めないことと、HOL Lightが、どういうものか微塵も分からんので、とりあえず、HOL Lightを動かしてみたメモ。ソースコード落とすと、中にTutorialがあるので適当に見れば良い気がする。 Coqと双璧をなすかどうかは知らないけど、…

水素原子の表現論(1.5-2)spectrum generating algebra

前回の補足など。 前回、極小表現上で消えるU(so(4,2))の元全体をJosephイデアルと呼んでしまったけど、Josephイデアルの(数学者が一般的に採用する)定義は、複素単純Lie代数の普遍展開環のcompletely prime primitive idealであって、so(4,2)は複素単純では…

日本語/英語の組み合わせ範疇文法パーサーを作った

NLP

toyccg https://github.com/vertexoperator/toyccg 英語については、CCG(Combinatory Categorial Grammar)のparserは公開されているものが、いくつか存在する(疑問文とか命令文は、あんまり対応してなかったりする。toyccgも疑問文や命令文は、あんまり対応…

三角形の合同類のなす空間と有限変形理論

三角形の合同条件と不変式論 http://d.hatena.ne.jp/m-a-o/20130104#p1みたいなことを昔書いた。ここで書いた考え方だと、三角形が退化した場合(三点が一直線上にある場合とか、一点に集中している場合)の扱いが面倒で、そのへんのことは、詳しく書いてない…

水素原子の表現論(1.5)spectrum generating algebra

水素原子の束縛状態全体は、Lie代数so(4,2)の極小表現になっていることが知られている。このso(4,2)は、dynamical symmetryと呼ばれたり、spectrum generating algebraと呼ばれていたりする。個人的には、ハミルトニアンと可換でないものを"symmetry"と呼ぶ…

非可換Groebner基底と表現論(1)概要メモ

Groebner基底は、多項式環のイデアルの"よい"生成元のことで、Groebner基底を計算するBuchbergerアルゴリズムなどの存在によって、計算機代数で広く使われている。Groebner基底を非可換多項式環に拡張しようというのは、誰でも考えるようなことではあると思…

Maxwell方程式の表現論(2)Gupta-Bleuler量子化の表現論的側面

Photons and gravitons in conformal field theory http://link.springer.com/chapter/10.1007%2F3540171630_73 という論文の2ページ目の冒頭を見たら、次のようなことが書いてあった。 $V$を、Poincare代数のhelicity 0のmassless既約ユニタリ表現$V_0$と、…

Combinatory Categorial Grammar

というものを最近調べた。前身として、Categorial Grammar(範疇文法)というものがあったらしい。 歴史的には、範疇文法は文脈自由文法(CFG)より古いっぽいが、範疇文法は、文脈自由文法と同等の計算能力しかないことが知られているらしい。基本的には、 S ->…

Maxwell方程式の表現論

Maxwell方程式の表現論(0) http://d.hatena.ne.jp/m-a-o/20150125#p2 からの続き(本編)。2021年追記)Cartan部分環の取り方が正しくないので、以下の結果は、ダメっぽい。正しいスカラー場の計算は、以下を参照 so(n+1,2)の極小表現の実現 https://vertexoper…

2度目のCubical

Thierry Coquandが、cubical interpreterでHigher Inductive Typeが使えるようになったとアナウンスしていた。理論的な面で進歩があったわけではないようだけど、cubical interpreterの実装が少し進歩したらしい。 https://github.com/mortberg/cubicaltt 基…

Morrison-Greene bracket

Noncanonical Hamiltonian Density Formulation of Hydrodynamics and Ideal Magnetohydrodynamics http://web2.ph.utexas.edu/~morrison/80PPPL1652_morrison.pdfSub-Fluid Models in Dissipative Magneto-Hydrodynamics http://cdn.intechopen.com/pdfs-wm…

Maxwell方程式の表現論(0)

Maxwell方程式のLorentz不変性は有名で、特に真空中のMaxwell方程式の共形不変性も、1909年、CunninghamとBatemanという人々によって認識された。その後、相対論的量子論に於いても、質量が0の粒子に於いては、Lorentz不変であるだけでなく、共形不変である…

extended phase spaceとガリレイ代数のmoment map

http://formalgroup.tumblr.com/post/105356647155/extended-phase-space に書いた。 物理に於ける不変性と対称性 http://d.hatena.ne.jp/m-a-o/20140130#p2 の終わりの方で みたいなPoisson括弧を持つ、通常の相空間に時間とエネルギー座標を追加したような…

simplicial model of type theory

絵が多いので、こっち↓の方に書いた。xyjaxを使いたかっただけというわけではない http://formalgroup.tumblr.com/post/96778113120/simplicial-model-of-type-theory cubical modelのことを書こうと思ったけど、数学の世界では、simplicial setの方が、cubi…

quotient type in cubical type theory

はじめてのCubical http://d.hatena.ne.jp/m-a-o/20131227#p1 の続き。何分できたばっかの処理系なので、上で書いたコードは微妙に動かなくなってしまっているっぽいけど、まぁ少し修正するだけ 実用的には、quotient typeが作れるのは重要な気もするので、…

Vanishing Component Analysis続き

Vanishing Component Analysisがダメだと思うわけ http://d.hatena.ne.jp/m-a-o/20140323#p2 の続き。前回、しょぼい実装ミスで、わたしごときMOBキャラが、ICML2013のbest paper様を盛大にdisってしまったのであったが、まぁ、誰でも間違いはあるので、気を…

特異スペクトル解析による線形再帰関係式の導出がよくない気がする

特異スペクトル解析(SSA)は、原理的に という形の予測式を与えることができる(式の形は、ARモデル/線形予測分析と同一)Singular spectrum analysis based on the perturbation theory http://www.cf.ac.uk/maths/subsites/zhigljavskyaa/pdfs/SSA/SSA%20pert…

特異スペクトル解析/部分空間同定法による周波数解析

が、しかし、周波数解析には、GHAよりよい方法が存在する。時系列データから、Hankel行列を作り、特徴抽出するというのは、色々な分野で使われている手法らしいけれども、出所は不明。この方法によって、周波数解析を行うことができる。特に、名前とかはない…

本当に一般調和解析(GHA)は離散フーリエ変換(DFT)より精度がよいのか?

タイトルは一般化調和解析の周波数領域での振舞い : 本当にGHAはFFTより精度がよいのか? http://ci.nii.ac.jp/naid/10016612781から。中身は、オープンアクセスでないので、読むことができなかったから、自分で考えて、試してみた 一般調和解析(GHA)は、Wien…

Risa/AsirでF5アルゴリズムを実装してみた

まぁ、実装してみましたという以外、特にないのだけど A new efficient algorithm for computing Groebner bases without reduction to zero (F5) http://www.risc.jku.at/Groebner-Bases-Bibliography/gbbib_files/publication_502.pdf http://dl.acm.org/c…