Maxwell方程式の表現論(2)Gupta-Bleuler量子化の表現論的側面

Photons and gravitons in conformal field theory
http://link.springer.com/chapter/10.1007%2F3540171630_73
という論文の2ページ目の冒頭を見たら、次のようなことが書いてあった。



$V$を、Poincare代数のhelicity 0のmassless既約ユニタリ表現$V_0$と、Poincare代数の自然な4次元表現(並進成分は自明に働くので、実質的に$so(3,1)$のベクトル表現)のテンソル積表現空間とする。$V$は、ユニタリー表現ではないし、既約でもないが、直既約表現になっているらしい。$V$の重要な部分表現として、
$V_L$:Lorenz gauge条件を満たす$V$の部分空間
$V_g$:A_{\mu}=\partial_{\mu} \Lambdaと書けるような$V$の元全体
があって、$V_g$は$V_L$の部分空間でもある。そして、以下の3つの命題が成立する
(1)商表現$V/V_L$は、Poincare代数のhelicity 0のmassless既約ユニタリ表現と同値
(2)商表現$V_L/V_g$は、Poincare代数のhelicity +1/-1の2つのmassless既約ユニタリ表現の直和表現と同値
(3)$V_g$は、Poincare代数のhelicity 0のmassless既約ユニタリ表現と同値


Gupta-Bleuler量子化の時は、非負ノルムを持つ状態の部分空間を0ノルム空間で割って、正ノルムを持つ状態を取り出していた。同じことを、1粒子状態に対してやっているのが、上の操作と考えられ、$(V,V_L,V_g)$を指して、Gupta-Bleuler tripletと呼んでいる文献もある。$V$には、平面波のような、ノルムが定まらない状態は含まれておらず、高々可算個の基底を持つ、"小さな"空間になっている


#重力波は、Klein-Gordon方程式を満たす、10成分の場である。Poincare代数の自然表現の2次の対称テンソル積表現は10次元表現で、これとhelicity 0のmassless既約ユニタリ表現のテンソル積によって、新しい表現を作ることができる。この表現から出発して、上記と類似の方法で、helicity +2/-2のmassless既約ユニタリ表現を得ることができるっぽい(要確認)


Poincare代数のhelicity +1/-1の2つのmassless既約ユニタリ表現の直和表現は、Maxwell方程式の解空間と同型になっているというのが、twistor理論の教えだった(多分、Maxwell方程式のノルム有限な解は、これ(の完備化したもの)で尽きると思うのだけど、証明とかは知らない)。この解空間は、$V_L/V_g$と同型であるが、一方、$V_L$の元は、電磁ポテンシャルなので、標準的な電磁気学の知識から、対応する電磁場を直接作ることができ、これはMaxwell方程式を満たす。真空中の電磁場は、波動方程式を満たすので、helicity 0のmassless既約ユニタリ表現と、Poincare代数の6次元表現(自然表現の2次の反対称テンソル積表現)のテンソル積空間$V_2$に含まれる解を考えるのは自然。そうすると、Poincare代数の作用と可換な写像
d_1 : V_L \to V_2
があって、その像$Im(d_1)$は、$V_2$の中で、Maxwell方程式を満たす元全体に等しいと期待される。そして
Ker(d_1) \simeq V_g
であれば、$Im(d_1)$は、(2)の表現空間$V_L/V_g$と同型になるので、辻褄が合う。


$V_0$は、共形代数$su(2,2)$の最低ウェイト表現に一意に拡張できるので、具体的な基底を取って、Poincare代数の作用を明示的に書くことができる。同様に、$V_L$や$V_g$の基底も具体的に記述することができるはず。ここでは、$V_0$を、以下のように、4変数多項式環の部分空間として実現する
V_0 = \{f \in \mathbf{C}[z_1,z_2,z_3,z_4] | (z_1 \partial_1 + z_2 \partial_2 - z_3 \partial_3 - z_4 \partial_4)f = 0\}

$su(2,2)$の複素化sl(4,\mathbf{C})のChevalley生成元の作用は、
e_1 = z_1 \partial_2
f_1 = z_2 \partial_1
h_1 = z_1 \partial_1 - z_2 \partial_2
e_2 = - z_2 z_3
f_2 = \partial_2 \partial_3
h_2 = 1 + z_2 \partial_2 + z_3 \partial_3
e_3 = - z_4 \partial_3
f_3 = - z_3 \partial_4
h_3 = - z_3 \partial_3 + z_4 \partial_4
のようになる。1が最低ウェイトベクトルとなり、これに上記の元を作用させていくことで、$V_0$の基底が得られる。別に、この実現を使うことに特に意味はないけど、コンピュータに計算させるときに、ちょっと楽。変数の数はたまたま4つだけど、これ自体は、通常の時空の座標とは関係ない


#$V_0$に含まれる同次多項式の次数は、全て偶数で、次数2n(n=0,1,2,...)の同次多項式が張る部分空間の次元は、$(n+1)^2$になる。これは、$V_0$の定義によって、z1,z2の部分の次数と、z3,z4の部分の次数が等しくないといけないことから、容易に分かる。

e_4 = [e_1,e_2] = -z_1 z_3
e_5 = [e_2,e_3] = -z_2 z_4
e_6 = [e_1,e_5] = -z_1 z_4

P_0 = -(e_2+e_6) = z_2 z_3 + z_1 z_4
P_1 = -\sqrt{-1}(e_4 - e_5) = \sqrt{-1}(z_1z_3 - z_2 z_4)
P_2 = -(e_4+e_5) = z_1 z_3 + z_2 z_4
P_3 = e_6 - e_2 = z_2 z_3 - z_1 z_4
となる。P_0^2 - P_1^2 - P_2^2 - P_3^2は恒等的に0なので、質量0のKlein-Gordon方程式が満たされる。空間回転$M_1,M_2,M_3$及びLorentzブースト$L_1,L_2,L_3$は、
M_1 = -(z_1 \partial_2 - z_2 \partial_1 - z_3 \partial_4 + z_4 \partial_3)/2
M_2 = \sqrt{-1}(z_1 \partial_2 - z_3\partial_4 - z_4 \partial_3 + z_2 \partial_1)/2
M_3 = -\sqrt{-1}(z_1 \partial_1 - z_2 \partial_2 + z_3 \partial_3 - z_4 \partial_4)/2
L_1 = -\sqrt{-1}(z_1 \partial_2 + z_3 \partial_4 - z_2 \partial_1 - z_4 \partial_3)/2
L_2 = (-z_4\partial_3 - z_1 \partial_2 - z_2 \partial_1 - z_3 \partial_4)/2
L_3 = (z_1 \partial_1 - z_2 \partial_2 - z_3 \partial_3 + z_4 \partial_4)/2



以降は、普通の電磁気学でやる計算と同じになる。
V = V_0 \otimes \mathbf{C}^4として、
$w_0 = (1,0,0,0)$
$w_1 = (0,1,0,0)$
$w_2 = (0,0,1,0)$
$w_3 = (0,0,0,1)$
を$\mathbf{C}^4$の基底とする
$d_0 : V_0 \to V$を
d_0(f) = -(e_2+e_6)(f) \otimes w_0 - \sqrt{-1} (e_4-e_5)(f) \otimes w_1 - (e_4+e_5)(f) \otimes w_2 -(e_2-e_6)(f) \otimes w_3 = (P_0(f) , P_1(f) , P_2(f) , P_3(f))
で定義し、
$V_g = Im(d_0)$とする。$d_0$は、Poincare代数の作用と可換なはずで、従って、$V_g$は$V_0$と同値な表現空間となる。$V_g$の最低ウェイトベクトルは
(z_2 z_3+z_1z_4 , \sqrt{-1}(z_1z_3 - z_2 z_4) , z_1 z_3 + z_2 z_4 , z_2 z_3 - z_1 z_4)
になる。第一成分がスカラーポテンシャル、残りがベクトルポテンシャルに相当する


$d_0$とPoincare代数の作用の可換性は、例えば
(1 \otimes M_1 + M_1 \otimes 1) d_0 = (M_1 P_0 , M_1 P_1 , M_1 P_2-P_3 , M_1 P_3+P_2) = (P_0 M_1, P_1 M_1 , P_2 M_1 , P_3 M_1)
などで、この場合、
[M_1,P_2] = P_3
[M_1,P_3] = -P_2
より従う。同様に
(1 \otimes L_1 + L_1 \otimes 1) d_0 = (L_1 P_0 , L_1 P_1 , L_2 P_2 , L_3 P_3) +(P_1,P_0,0,0) = (P_0 L_1 ,P_1 L_1 , P_2 L_1, P_3 L_1)=d_0 L_1
など。他の生成元についても、同様に計算すればいい


次に、d_1 : V_0 \otimes \mathbf{C}^4 \to V_2は、通常の外微分と同様、A = (A_0,A_1,A_2,A_3) \in V_0 \otimes \mathbf{C}^4に対して
d_1(A) = d_0(A_0) \wedge w_0 + d_0(A_1) \wedge w_1 + d_0(A_2) \wedge w_2 + d_0(A_3) \wedge w_3
で定義する。6成分出てくるけど、当然、電場と磁場に対応する


Mikowski計量に対する、Hodgeのスター作用素* : \wedge^2 \mathbf{C}^4 \to \wedge^2 \mathbf{C}^4
*(w_0 \wedge w_1) = -w_2 \wedge w_3
*(w_0 \wedge w_2) = -w_3 \wedge w_1
*(w_0 \wedge w_3) = -w_1 \wedge w_2
*(w_1 \wedge w_2) = w_0 \wedge w_3
*(w_3 \wedge w_1) = w_0 \wedge w_2
*(w_2 \wedge w_3) = w_0 \wedge w_1
で定義すると、$*^2=-1$なので、\wedge^2 \mathbf{C}^4を$*$の固有値+i/-iの空間に固有分解できる。$*$は、Poincare代数の作用と可換なので、$V_2$も2つの表現空間の直和に分解する。この分解は、$Im(d_1)$に制限すると、Maxwell方程式の解空間が、正helicity/負helicityの解に分解する(それぞれ、自己双対・反自己双対Maxwell方程式の解空間)のと対応している。


自己双対・反自己双対Maxwell方程式の解空間は、共形代数の$su(2,2)$の最低ウェイト表現空間となっているので、最低ウェイトベクトルを計算するのが、構造を知る上で、手っ取り早い。$V_2$には、$su(2,2)$自体は作用しないが、Poincare代数の作用のみでも、最低ウェイトベクトル条件のいくつかは書くことができ、かつ、最低ウェイトベクトルを決定するにはそれで十分である。このへんは、表現論の知識が必要となる。最低ウェイト条件の詳細は
Maxwell方程式の表現論
http://d.hatena.ne.jp/m-a-o/20150621#p1
で書いたものと同じ。


具体的に、自己双対Maxwell方程式の"最低ウェイト解"を計算してみる。まず、$*$について、固有値+iの空間の基底として、
w_0 \wedge w_1 + \sqrt{-1} w_2 \wedge w_3
w_0 \wedge w_2 + \sqrt{-1} w_3 \wedge w_1
w_0 \wedge w_3 + \sqrt{-1} w_1 \wedge w_2
を取ることができる。この基底に対する、成分を(\psi_1,\psi_2,\psi_3) \in V_0 \otimes \mathbf{C}^3とする。$V_0$の定義より
(z_1 \partial_1 + z_2 \partial_2 - z_3 \partial_3 - z_4 \partial_4)\psi_i = 0
が分かる。$su(2,2)$作用のChevalley生成元のいくつかは、Poincare代数の元のみで書けて、例えば
h_1 = L_3 - \sqrt{-1} M_3 = z_1 \partial_1 - z_2 \partial_2
の場合、
h_1(\psi_i) + 2 \psi_i = 0
が最低ウェイトベクトルの満たす条件となる。また、
f_1 = (M_1 - \sqrt{-1}M_2)/2 - \sqrt{-1}(L_1 - \sqrt{-1}L_2)/2 = z_2 \partial_1
に対して、
f_1(\psi_i) = 0
なども条件としてある。ここまでの条件で、\psi_1,\psi_2,\psi_3
z_2^2 z_3 z_4 , z_2^2z_3^2, z_2^2z_4^2
の3つの元の一次結合で書けることが分かる。他に、$h_2,h_3,f_3$などに関する条件も使うと、定数倍を除いて
\psi_1 = -\frac{\sqrt{-1}}{2}(z_2^2 z_4^2 + z_2^2 z_3^2)
\psi_2 = \frac{1}{2}(z_2^2 z_4^2 - z_2^2 z_3^2)
\psi_3 = z_2^2 z_3 z_4
という解を得る。これらの解を与える電磁ポテンシャルとして、例えば
(\phi,A_x,A_y,A_z) = (-z_2 z_4/2 , \sqrt{-1}z_2 z_3/2 , z_2 z_3/2 , -z_2 z_4/2)
などが取れる。反自己双対Maxwell方程式の最低ウェイト解も同様に計算できる。


光子の状態空間は、光子の1粒子状態の対称テンソル積空間として得られる。物理の教科書では、波数ごとに、(非可算無限個の)生成消滅演算子があって、それを真空に作用させて...ということになるが、平面波は、Maxwell方程式のノルム有限な解ではなく、$P_0,P_1,P_2,P_3$の連続スペクトルに対する一般化固有状態として得られるはず。そして、($V_0$の各基底に対応して)高々可算無限個の生成消滅演算子があって、それを真空に作用させていくことで、多光子状態が得られるという形になる。通常、物理の教科書に書いてある、量子電気力学の生成消滅演算子による光子の状態空間と、表現論的("群論的")な光子の一粒子状態空間の説明が、等価だというのは、長い間納得できなかったけど、数学的に正当化できそうではある



電磁気学をやるには、電子の状態空間も知りたい。Poincare代数のmassless既約表現については、共形代数の表現に拡張することで、その構造が数学的によく分かる(通常の群の誘導表現による構成では、詳しい構造を調べるのは結構難しい)のだけど、massive表現については、その手は使えない。が、de Sitter代数$so(4,1)$の主系列表現は、$so(4,1)$からPoincare代数へのcontraction(半径→∞の極限を取る)を行うことによって、Poincare代数のmassive既約ユニタリ表現2つの直和に分解するらしい。

GENERALIZED EIGENVECTORS AND GROUP REPRESENTATIONS -- THE CONNECTION BETWEEN REPRESENTATIONS OF SO(4, 1) AND THE POINCARE GROUPt
http://link.springer.com/chapter/10.1007/978-94-010-2669-7_8

$so(4,1)$の主系列表現は、最高ウェイトも最低ウェイトもないので、Lie環の表現論としてはまだ難しい部類ではある(というのは、現時点では、系統的な手法が使えず、個別に対処する必要があるという意味で)けども、Gelfand-Zetlin basisなど、具体的な基底を構成することができる(はず←やったことない)。これによって、Poincare代数のmassive既約表現の具体的な記述を手にすることができるはず(続く)


#contractionによる構成自体は、Euclid群の既約ユニタリ表現を作る場合にも、同じような方法が取られるので、さほど問題なく出来るはずではある。masslessの方の基底は分かっても、massiveの方がどうにもならなくて、ふと、Eudlic群なら、誰かやってる人いそうだ、と思って調べたら、q-Euclid代数でやってる人がいて、Poincare代数でも、同じことを考えた人が1960年代にいたという...


#http://www.kyoritsu-pub.co.jp/90thmath/math03.html
によると『リー群のユニタリ表現論』という本が刊行予定らしく、"非コンパクトリー群の例として一般化ローレンツ群SO(n,1)と擬ユニタリ群SU(n,1)をとり,それらの(非ユニタリ)主系列表現の構造を,上のGZ基底を拡張した基底を作って詳細に調べることにより"とあり、欲しい情報を書いてくれてそうな感じであるが、いつ出版されるか不明なので、自分で計算する必要がありそう。ぐぬぬ


以下は、計算の一部をRisa/Asirで確かめた時のコード。文章と式が合ってなかったら、文章の方が間違ってると思う

/* Risa/Asir code */

def assert(V){
   if(!V){error(V);}
   return 1;
}


V=[z1,z2,z3,z4,d1,d2,d3,d4];
Z1=dp_ptod(z1,V);
Z2=dp_ptod(z2,V);
Z3=dp_ptod(z3,V);
Z4=dp_ptod(z4,V);
D1=dp_ptod(d1,V);
D2=dp_ptod(d2,V);
D3=dp_ptod(d3,V);
D4=dp_ptod(d4,V);

P0 = dp_ptod(z2*z3+z1*z4 , V);
P1 = dp_ptod(@i*(z1*z3-z2*z4) , V);
P2 = dp_ptod(z1*z3 + z2*z4 , V);
P3 = dp_ptod(z2*z3 - z1*z4 , V);
M1 = -(dp_weyl_mul(Z1,D2) - dp_weyl_mul(Z2,D1) - dp_weyl_mul(Z3,D4) + dp_weyl_mul(Z4,D3))/2;
M2 = @i*(dp_weyl_mul(Z1,D2) - dp_weyl_mul(Z3,D4) - dp_weyl_mul(Z4,D3) + dp_weyl_mul(Z2,D1))/2;
M3 = -@i*(dp_weyl_mul(Z1,D1) - dp_weyl_mul(Z2,D2) + dp_weyl_mul(Z3,D3) - dp_weyl_mul(Z4,D4))/2;

L1 = -@i*(dp_weyl_mul(Z1,D2) + dp_weyl_mul(Z3,D4) - dp_weyl_mul(Z2,D1) - dp_weyl_mul(Z4,D3))/2;
L2 = (-dp_weyl_mul(Z4,D3) - dp_weyl_mul(Z1,D2) - dp_weyl_mul(Z2,D1) - dp_weyl_mul(Z3,D4))/2;
L3 = (dp_weyl_mul(Z1,D1) - dp_weyl_mul(Z2,D2) - dp_weyl_mul(Z3,D3) + dp_weyl_mul(Z4,D4))/2;


RM1 = newmat(4,4,[[0,0,0,0],[0,0,0,0],[0,0,0,-1],[0,0,1,0]]);
RM2 = newmat(4,4,[[0,0,0,0],[0,0,0,1],[0,0,0,0],[0,-1,0,0]]);
RM3 = newmat(4,4,[[0,0,0,0],[0,0,-1,0],[0,1,0,0],[0,0,0,0]]);
RL1 = newmat(4,4,[[0,1,0,0],[1,0,0,0],[0,0,0,0],[0,0,0,0]]);
RL2 = newmat(4,4,[[0,0,1,0],[0,0,0,0],[1,0,0,0],[0,0,0,0]]);
RL3 = newmat(4,4,[[0,0,0,1],[0,0,0,0],[0,0,0,0],[1,0,0,0]]);

assert( dp_weyl_mul(P0,M1)==dp_weyl_mul(M1,P0) );
assert( dp_weyl_mul(P1,M1)==dp_weyl_mul(M1,P1) );
assert( dp_weyl_mul(L1,P2)==dp_weyl_mul(P2,L1) );
assert( dp_weyl_mul(L1,P3)==dp_weyl_mul(P3,L1) );
assert( dp_weyl_mul(P0,L1)-dp_weyl_mul(L1,P0)==P1 );
assert( dp_weyl_mul(P1,L1)-dp_weyl_mul(L1,P1)==P0 );
assert( dp_weyl_mul(M1,P2)-dp_weyl_mul(P2,M1)==P3 );
assert( dp_weyl_mul(M1,P3)-dp_weyl_mul(P3,M1)==-P2 );

assert( dp_weyl_mul(M1,M2)-dp_weyl_mul(M2,M1)==M3 );
assert( dp_weyl_mul(M2,M3)-dp_weyl_mul(M3,M2)==M1 );
assert( dp_weyl_mul(M3,M1)-dp_weyl_mul(M1,M3)==M2 );
assert( dp_weyl_mul(L1,L2)-dp_weyl_mul(L2,L1)==-M3 );
assert( dp_weyl_mul(L2,L3)-dp_weyl_mul(L3,L2)==-M1 );
assert( dp_weyl_mul(L3,L1)-dp_weyl_mul(L1,L3)==-M2 );
assert( dp_weyl_mul(M1,L2)-dp_weyl_mul(L2,M1)==L3 );
assert( dp_weyl_mul(L1,M2)-dp_weyl_mul(M2,L1)==L3 );
assert( dp_weyl_mul(M2,L3)-dp_weyl_mul(L3,M2)==L1 );
assert( dp_weyl_mul(L2,M3)-dp_weyl_mul(M3,L2)==L1 );
assert( dp_weyl_mul(L3,M1)-dp_weyl_mul(M1,L3)==L2 );
assert( dp_weyl_mul(M3,L1)-dp_weyl_mul(L1,M3)==L2 );
assert( RM1*RM2-RM2*RM1==RM3 );
assert( RM2*RM3-RM3*RM2==RM1 );
assert( RM3*RM1-RM1*RM3==RM2 );
assert( RL1*RL2-RL2*RL1==-RM3 );
assert( RL2*RL3-RL3*RL2==-RM1 );
assert( RL3*RL1-RL1*RL3==-RM2 );
assert( RM1*RL2-RL2*RM1==RL3 );
assert( RL1*RM2-RM2*RL1==RL3 );
assert( RM2*RL3-RL3*RM2==RL1 );
assert( RL2*RM3-RM3*RL2==RL1 );
assert( RM3*RL1-RL1*RM3==RL2 );
assert( RL3*RM1-RM1*RL3==RL2 );

/* ---------------------------------- */
P0 = z2*z3+z1*z4;
P1 = @i*(z1*z3-z2*z4);
P2 = z1*z3 + z2*z4;
P3 = z2*z3 - z1*z4;

/* lowest weight solution of SD-Maxwell equation */
Ex = -@i*(z2^2*z4^2 + z2^2*z3^2)/2;
Ey = (z2^2*z4^2 - z2^2*z3^2)/2;
Ez = z2^2*z3*z4;
Bx = -@i*Ex;
By = -@i*Ey;
Bz = -@i*Ez;

/* half-part of Maxwell equation */
assert( P1*Ex + P2*Ey + P3*Ez==0 );  /* div E = 0 */
assert( P2*Ez-P3*Ey==-P0*Bx );
assert( P3*Ex-P1*Ez==-P0*By );
assert( P1*Ey-P2*Ex==-P0*Bz );

/* lowest weight potential of SD-Maxwell equation */
A0 = -z2*z4/2;
A1 = @i*z2*z3/2;
A2 = z2*z3/2;
A3 = -z2*z4/2;

assert( -P1*A0 - P0*A1 == Ex );
assert( -P2*A0 - P0*A2 == Ey );
assert( -P3*A0 - P0*A3 == Ez );
assert( P2*A3-P3*A2 == Bx );
assert( P3*A1-P1*A3 == By );
assert( P1*A2-P2*A1 == Bz );