食べなければ痩せるというのは、一番簡単なダイエット法ではあるけど、実際のところ、どれくらい痩せるのか物質収支を計算してみる。アトウォーター係数は、糖・タンパクで4kcal/g、脂質で9kcal/g、成人が一日に消費するエネルギーの総量は2000~2500kcal程度らしい。一日に消費するエネルギーが全て糖・タンパクに由来するとすると、大体一日に500~600g程度の重量減ということになる。通常は、これに匹敵する量の食事を摂って平衡が保たれてるはず(物質収支には、水と呼吸という要素もあるけど、これは無視できるとする)。

食事が500~600gというのは、少ないように思うけど、大抵食事には水分が含まれているので、乾燥重量であれば、そんなおかしな数値でもない。例えば、東京のカレー屋もうやんでは、普通盛りがご飯350gで、これは通常のカレー屋の大盛りにあたる量なので、一日に摂取する食事の総重量は1kg前後だろうので、半分が水分なら、まあそんなもん。実際には、脂質由来のエネルギー消費もあるだろうから、一日ご飯を食べないと、400g程度の体重減が見込める。一ヶ月で10kgとちょっと。意外と痩せないもんである。実際に、xx日遭難した人が何kg痩せたみたいなデータがないかと探したけど、見当たらず。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A4%93%E6%AD%BB
には、「水分の補給があれば絶食状態で1〜2ヶ月程度生存でき、この限界を越えれば餓死に至る」とあって、体重60kgの人が2カ月あれば、30kg台になる計算なので、妥当な気がする。

ところで、食べなければ痩せると簡単に言うものの、肥満の人が感じる空腹感は通常人よりずっと強いのかもしれない。満腹感は、脂肪細胞で生産されるレプチンの作用で生み出されるらしいが、多量のレプチンに晒されると、脳がレプチン抵抗性を持つようになって、レプチン中毒状態になるらしい。肥満の人は、脂肪細胞も多いだろうから、"中毒"になりやすいのかもしらん。対策としては、レプチン投与すればいいと思う。ぐぐると、レプチンサプリメントとか売ってるけど、レプチンは150aaのタンパクなので、普通に経口投与しても、胃で分解されてしまう。直接血中に入れる必要がある。ほんとにそれで空腹感が抑えられるか実験はしてない。大量に投与して、脳がレプチン抵抗性を持てば、デブの感じている空腹感を、太らずに体験できるかもしれない。あと、飢餓感を抑制して苦しまずに餓死できるとすると、自殺の方法としてもよいかもしれない。