非外科的な豊胸手法

ある時、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量の推移を眺めていたら、ピークが10代ではなく20代にあることに気付いた。が、胸部サイズの成長は、むしろ10代に起こるだろうと思われるので、そう考えると、何らかの成長ホルモンの方が、支配的な影響を及ぼしているのかもしれない。当然、成長ホルモンは、男性でも分泌されるから、女性ホルモンも一定量は必要なのだろうけど、20代女性でも、成長ホルモンを補ってやれば、胸部の成長が起きるかもしれない、と予想した。

成長ホルモンと聞いて、思いつくのは、hGH(ヒト成長ホルモン)であるけども、他の成長因子が重要である可能性もある。少し文献を調べると、IGF-1と胸部サイズの相関が最も高いらしいことが分かったので、被験者(当時、20代半ば。標準的な体型)を探して、テストしてもらった(方法を説明して、定期的にお金を渡した。美味しいものを食べるのに使われたりしてないことは確認した)

その時に、説明した内容がこれ↓

非外科的な豊胸手法
https://gist.github.com/vertexoperator/e4839407ae85d45f26189b378cc5edeb

協力してもらった被験者の方は、Aカップ未満から、概ね、一年に一サイズくらい成長したらしい。当初は、一年くらいの予定だったのだけど、結局、5年強も実験を継続した。年齢的なことと、お金が尽きたので、実験は終了。エストロゲン分泌量は、40歳くらいでも、10代半ばくらいの水準はあるようなので、30代でも効果はあるかもしれない。

残念ながら、被験者は、一人しか確保できなかったので、全然実証には、なってない。5年で、500万円くらい消費したので、複数の被験者を集めたりすることは、金銭的に厳しい。

IGF-1で検索すると、スプレーとか、そういうのが、沢山出てくるけど、99.999%効果はない。IGF-1が含まれているかどうかも怪しいし、含まれていても、液体に溶かした状態で置いておけば、急速に分解していく

外科的な手法と比較すると、

豊胸手術として一般的に想像されるのは、インプラントを皮下に注入する方法であるけども、外科的手法なので、暫くは、相当痛いらしい。こっちは、注射の痛みのみ
豊胸手術の方が、安価かつ短期間に、大きな効果を得られる。こっちは、時間と金がかかる
・注射痕が残る可能性がある

という感じだろうか。Wikipediaには、「日本の厚生労働省は、その他いずれの乳房インプラントも薬事承認しておらず、安全性に関して保障していない」と書いてある。安全性が保証されない点は、同じようなものだろうか。こっちは、本当に効果があるかも怪しいので、不利だけど



これについては、個人的には、満足のいく結果になったので、これ以上は、追求しない。あとは、お金が回復したら、やろうかと思ってる人体実験の話。こちらは、自分自身で実験するつもりなので、気が楽

以前に、食物由来のmiRNAが体内に取り込まれている可能性が話題になった。
Exogenous plant MIR168a specifically targets mammalian LDLRAP1: evidence of cross-kingdom regulation by microRNA
http://www.nature.com/cr/journal/v22/n1/full/cr2011158a.html

これについては
Mining of public sequencing databases supports a non-dietary origin for putative foreign miRNAs: underestimated effects of contamination in NGS
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24729469
などで否定的な見解が示されていて、また、その他のケースでも、miRNAは消化されてしまい、吸収されるまでに到達しないという結果がいくつか報告されている


では、腸内で細菌にsiRNAを産生させればどうかと考える。通常、殆どの菌や細菌は、経口投与しても消化されてしまい、腸まで生き延びることはできないものの、ある種の乳酸菌は、生きて腸まで届くと宣伝されている。乳酸菌は、様々な菌の総称なので、全ての乳酸菌が消化に耐えるわけではなないらしいが、消化に耐える乳酸菌を遺伝子組み換えによって、siRNAを産生させるようにすれば、腸内でどんどんsiRNAを生産し、それが吸収され、効果を発揮するかもしれない。実際には、siRNAが血中に取り込まれるとしても、それが細胞に取り込まれるかどうかは別問題であるけれども。


乳酸菌は至るところにいるので入手に問題はないけれど、問題は、一般家庭で遺伝子組み換えを行うことは、そんなに容易いことではないという点。DIYBIOという、非研究機関外の人々による生物実験を行うmovement界隈には、"glow-in-the-dark-yogurt"という、GFP遺伝子を導入された乳酸菌で作ったヨーグルトの伝説がある。これが、本当に行われた実験なのかよく分からないし、プロトコルなども公開されていないようなので、あんまり役立つ情報ではない。原理的には、siRNA発現部位と抗生物質耐性遺伝子を持ったリニアなDNAを導入して、相同組み換えを起こすのが、一番楽だとは思うのだけど、それでも課題はある

※)腸溶性カプセルに、細菌を詰めて飲めば、生きて腸まで届くのでは、という気もする。実際、ビフィズス菌のカプセルというものはあるらしい(が、信用できる商品なのかどうかまでは確認していない)。ローテクで済むのであれば、カプセルなしで済ませたいという気もするが、一方で、大腸菌などに、siRNA発現プラスミドを導入する方が、実験としては容易かもという気持ちもある(分子生物学実験をやったことのある人のほとんどは、大腸菌を扱った経験があるだろうし、それだけ色々と知見もあるということであるし)

乳酸菌以外の選択肢としては、納豆菌も候補になりうる。


最近、検索して、類似のことを考えていた研究者が居たのを発見した。
RNAi創薬を目指したRNAデリバリー技術の開発
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-20015032/
によれば、"現状ではshRNAのみを産生する乳酸菌株を作製し、マウスにおいてこの乳酸菌を投与することで特異的なRNAi効果が起こることを見いだした。今後CPP-RBPとshRNAの共発現系を内包する乳酸菌を作ることにより、このRNAi効果がより顕著になることを期待している。"とある。CPP-RBPというのは、siRNAの細胞内導入効率を高めるべく設計されたタンパク質らしいが、それがなくても、RNAi効果が確認できた(どれくらいの効果があったのかは論文読まないと分からないが)ということで、よいニュースではある。研究者たちは、癌治療の手法として、この方法を考えたらしいけど、私見だと、癌治療にRNAiを使うのはgood ideaとは思えない。その後、研究を断念したのか、どうなったのかは不明


どっちかというと、HIV治療とかの方が見込みがありそうな感じではある。
RNA interference approaches for treatment of HIV-1 infection
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4445287/
HIV治療に使う(HIVを体内から根絶する)には、上のCPP-RBPのように、細胞内導入効率を高める工夫が必要かもしれないし、それを乗り越えても、"mutation escape"という課題があり、単一のsiRNAで根治というわけにはいかないと思うけど。ただ、HIV治療に使えるなら、原理的には、他のRNAウィルス(インフルエンザウィルス、ノロウィルス、エボラウィルスetc.)でも何かしら使えるかもしれない。

私自身は、特に困ってないので、病気の治療に興味はないから、適当に、自分の遺伝子発現を抑制できるか見たい。ターゲット遺伝子は何でもいいけれど、できれば発現を抑制して有益な効果をもたらす遺伝子がいい。現在、候補として、ミオスタチンを考えている。これは、ミオスタチン関連筋肥大で知られる遺伝子で、筋肉の成長を抑制する働きがあり、生まれつき欠損していたりする場合、筋肉が異常に成長するらしい。というわけで、可能性としては、「トレーニングしないでも食べるだけで、筋肉が成長していくヨーグルト」というものが作れるかもしれない。

研究室と違って、基本的な試薬も実験機器もないので、色々方法を考えないといけないし、差し当たって、お金がない