光の位相演算子

誰か、闇の位相演算子も定義してほしいと思ったけど、ダークソリトンとかあるし、頑張れば何とかならないのだろうか

本題。量子力学に於ける不確定性原理は、可換でない演算子の組があれば成立するものの、

(1)時間とエネルギーの不確定性関係に於いて、時間演算子は存在しないという批判
(2)光子数と位相の不確定性関係に於いて、位相演算子の定義に問題がある件
(3)相対論的量子力学に於いて、光子の位置演算子の定義ができないという問題

など、基本的であっても、演算子の定義自体が問題とされるケースも多い。

(1)の時間とエネルギーの不確定性関係は、1927年のHeisenbergの論文にも書かれているけど、Pauliによって批判されたらしい。Hamiltonianと正準交換関係を満たす時間演算子があれば、Hamiltonianが無限小時間並進演算子なのと同様、時間演算子は、"無限小エネルギーシフト"演算子となるけど、エネルギーは勝手にシフトすると、固有状態が存在しなかったりするので、不都合となる。時間演算子を使わず、時間とエネルギーの不確定性関係を導く議論も多々ある。ただ、位置と運動量の不確定性関係の場合、位置演算子と運動量演算子の同時固有状態が存在しないのと比べて、時間とエネルギーについては、そもそも同時固有状態という考え方が適用できない。形式的に同じような式が出ても、物理的意味が同じと言えるのか、よく分からない

(3)の問題の発端は、1949年のNewtonとWignerの以下の論文にある。
Localized States for Elementary Systems
https://journals.aps.org/rmp/abstract/10.1103/RevModPhys.21.400

この論文では、単一の相対論的自由粒子の位置演算子をどう定義するのかという問題に、部分的な解答を与えている。相対論的自由粒子なので、考える状態空間は、ポアンカレ代数の既約ユニタリ表現となる。massiveな場合は、ポアンカレ代数の生成元の(非可換)有理式で書かれる演算子が存在し、位置演算子となるとしている(現在では、Newton-Wigner演算子と呼ばれる)。masslessの場合は、これは、うまくいかないらしい

普通の量子力学では、状態空間を[L^2(\mathbb{R}^3)]に選んでるとか、あるいは、同じようなことだけど、CCR代数の表現空間に選んでいるという理由で、位置演算子の定義は、問題なくなっている。これはこれで、相空間T^{*}\mathbb{R}^3(上の関数環)を量子化したから〜といった正当化が与えられているけど、Newton-Wignerの問題設定とパラレルに考えると、非相対論的な自由粒子の状態空間は、ガリレイ代数の既約ユニタリ表現空間となる。この場合は、無限小Galilean boostの位置演算子の1/mが位置演算子を与えると思える(mは粒子の質量)。古典的には、これは、重心座標を表す保存量なので、一粒子系では、粒子の座標と思って、差し支えない。ガリレイ代数の場合でも、massless particleを考えられるけど、m=0では、位置演算子が作れないので、相対論的な場合と、問題は同根じゃないかと思う。

【補足】ガリレイ代数の場合でも、massless particleを考えられることの反映として、電磁気学の非相対論的極限などが存在する。研究の嚆矢は1960年代にあるようだけど、1973年以来、これは、Galilean electromagnetismという名前で知られている。面白いことに、非相対論的極限には、magnetic limitとelectric limitの二種類がある。以下の論文によれば、二種類ある理由は、斉次ガリレイ群(ガリレイ群から、並進を除いたもので、Lorentz群の非相対論版)のベクトル表現は、二つある(彼らの記号では、D(1,1,0),D(1,1,1))からと書いている。
Galilei invariant theories. I. Constructions of indecomposable finite-dimensional representations of the homogeneous Galilei group: directly and via contractions
https://arxiv.org/abs/math-ph/0604002
斉次ガリレイ群の4次元表現として、誰でも知ってるものは、Galilean boostによってx_i \mapsto x_i + v_i x_0(i=1,2,3)と変換するものがある(v_iは、パラメータで、x_0は時間変数に相当する)。これの行列表示を転置したものも、Lorentz群のベクトル表現の非相対論的極限で、得られるということらしい



(2)の問題は、波数や周波数が単一のモードであるような、量子光学的なモデルで考察される。状態空間は、光子の生成・消滅演算子を真空に繰り返し作用させて張られる空間で、数学的には、調和振動子の系と変わらない。粒子数演算子は問題なく定義できるけど、位相演算子の方は、謎がある。この問題に最初にアプローチしたのは、Diracだとされている。
The Quantum Theory of the Emission and Absorption of Radiation
https://royalsocietypublishing.org/doi/abs/10.1098/rspa.1927.0039

古典的には、実信号が、解析信号V(t)の実部となっている場合(例えば、電磁波を受信して得られた、生の電気信号があるというような場合、解析信号の計算は、原理的にはヒルベルト変換を使えば出来る) 、以下の極分解がある
V(t) = \sqrt{I(t)} \exp(i \phi(t))
I(t)が強度で、\phi(t)は位相。

量子論に於いては、消滅演算子のpolar decompositionが
\hat{a} = e^{-i \Phi} \sqrt{N} = \sqrt{N+1} e^{-i \Phi}
で定義される。Diracの論文の式(10)には、生成・消滅演算子のpolar decompositionが書かれている。Nは粒子数演算子で、単一モードで考えているので、光子数と全エネルギーは比例するから、強度演算子と呼ばれることもある。E=e^{-i \Phi}の部分は、現在、Susskind-Glogower演算子という名前で呼ばれているものと同じ。

Susskind–Glogower operator
https://en.wikipedia.org/wiki/Susskind%E2%80%93Glogower_operator

Susskind-Glogower演算子は、調和振動子の生成・消滅演算子の(非可換)多項式の形では書けないけど、状態空間の正規直交基底を、|0>,|1>,...とすれば
 \sqrt{n} |n-1\rangle = a|n> = E \sqrt{N} |n \rangle = \sqrt{n} E|n \rangle
であるから、
 E = |0\rangle\langle 1| + |1\rangle\langle2| + \cdots
とすればいい。こうすると、E\sqrt{N} = \sqrt{N+1}Eが消滅演算子と等しいことは容易に分かる。従って、消滅演算子の極分解自体は、ちゃんと存在する。測定可能量はエルミートであることが必要だけど、(E+E^{\dagger})/2,(E-E^{\dagger})/2iと分解すれば、エルミート演算子を得ることはできる。

単一モードで考えているので、量子化した電場は、規格化因子を除けば、
\hat{\mathbf{E}}(\mathbf{r},t) = i \omega \mathbf{e}(\hat{a} e^{i(\mathbf{k}\cdot\mathbf{r} - \omega t)} - \hat{a}^{\dagger}e^{-i(\mathbf{k}\cdot\mathbf{r} - \omega t)})
という形で書け(\mathbf{e},\omega,\mathbf{k}は偏光ベクトル、周波数、波数。偏光ベクトルは実であるとする)、コヒーレント状態に対する、量子化した電場の期待値は
\langle \alpha| \hat{\mathbf{E}}(\mathbf{r},t) | \alpha \rangle = -2 \omega \mathrm{Im}(\alpha e^{i(\mathbf{k}\cdot\mathbf{r} - \omega t)}) \mathbf{e} = -2 \omega |\alpha| \sin(\mathbf{k}\cdot\mathbf{r}-\omega t + \theta) \mathbf{e}
となる。\alpha = |\alpha| e^{i \theta}で、\thetaが欲しい位相になる。これは、絶対位相で、座標原点の取り方に依存した量だから、直接観測できる量ではないだろうし、理想的な位相演算子が存在しても、それ自体は、観測できない量になると思われる

コヒーレント状態に対する位相演算子の期待値は、\alpha/|\alpha|になるのが理想だけど、Susskind-Glogower演算子の期待値を計算すると、厳密に、このような量にはならない
\langle \alpha | E | \alpha \rangle = \alpha e^{-|\alpha|^2} \sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{n+1}} \frac{|\alpha|^{2n}}{n!}
である。まぁ、絶対値は1でないけど、位相成分は一致してるし、古典的な光学で利用される光では、光子数は非常に大きく(例えば、平均出力1mW、波長500nmのレーザー光は、毎秒10^15個オーダーの光子を放出している)、
e^{-x} \sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{n+1}} \frac{x^n}{n!} \approx \frac{1}{\sqrt{x}}
が、大きいxでは成立していそうなので、許容できるかもしれない(数値実験した範囲では、これは正しいようだけど、証明は知らない)

古典的な場合と異なり、EとNは可換でないから、同時固有状態は存在せず、位相と強度には、何らかの不確定性関係があることになる。簡単な計算で、[E,N]=Eであることが分かる。この交換関係は、円周上の北門・大貫代数と呼ばれるものと同じ。この関係式自体は、形式的には、sl(2)のChevalley基底([h,e]=2eや[h,f]=-2f)だったり、ax+b群のLie環の関係式だったりでも見ることができるけど、(仮想的な)"位相演算子"\Phiに対して、e^{-i \Phi}に相当する演算子を作りたいという発想なので、Eは、(適当な表現空間上で)ユニタリーであってほしい。これは、sl(2)やax+b群のとは、話が違う

形式的な計算では、
|\theta \rangle = \sum_{n=0}^{\infty} e^{i n \theta} |n \rangle
という状態に対して、
E|\theta \rangle = e^{i \theta} |\theta \rangle
が成立する。ただ、E|0\rangle = 0でもあるので、ユニタリーではない

ユニタリー性を破るのは、真空|0>の場合のみで、真空はα=0のコヒーレント状態であるから、素朴に考えると、位相はα/|α|=0/0で、不定となる。古典的にも、強度が0であれば、位相を定義することはできない。数学的には、極座標で、原点の表示が一意に決まらないことに対応する。プログラミングなら、なんか例外を投げたいとこではある。位相が不定になる唯一の状態を、固有値0の固有状態に持つのは、利点にも見えるけど、ユニタリー性を破る原因でもあるので、欠陥だと考える人もいる


Susskind-Glogower演算子は、粒子数シフト演算子になっている。これは、エネルギーや運動量が、時間や位置の無限小並進演算子なのと類似している。もし、光子数に下限がなければ、粒子数シフト演算子は、完璧な位相演算子を定義する。正規直交基底が、|0>,|±1>,|±2>,...ととれる場合、粒子数演算子の素直な類似は
N |n \rangle = n|n \rangle
であり、またSusskind-Glogower演算子の類似として
V |n+1 \rangle = |n \rangle
と取れる。NとVは、hermitian operatorとunitary operatorであり、形式的に
|\theta \rangle = \sum_{n=-\infty}^{\infty} e^{i n \theta} |n \rangle
とすると、これは、Vの"固有状態"となる(自身との内積が発散するから、数学的には、固有状態ではないけど)
 V | \theta \rangle = e ~{i \theta} | \theta \rangle
そして、今度は、V^{\dagger}の固有状態でもある。また、NとVは、交換関係
[V,N]=V
を満たすので、円周上の北門・大貫代数の"ユニタリ表現"を与えている(Vがユニタリ演算子で、Nがエルミート演算子の時、ユニタリ表現と呼ぶのが適切。既に見た通り、単一の調和振動子の状態空間にも、北門・大貫代数の表現が定義できたが、"ユニタリ表現"にはなっていなかった)

円周上の北門・大貫代数のユニタリ表現から、2次元Euclid代数のユニタリ表現を作ることが出来る。(複素)2次元Euclid代数は、生成元D,X,Yと交換関係
[D,X]=Y,[D,Y]=-X,[X,Y]=0
で定義され、エルミート共役を取る操作(Lie環に内在的に定義されるCartan involutionは、ユニタリ表現上で、歪エルミート共役を取る操作になるので、そのマイナスのこと)で
D^{*}=-D , X^{*}=X , Y^{*}=Y
のように変換されるとすると、
 D = i N , X =\frac{1}{2}(V + V^{\dagger}) , Y= \frac{1}{2i}(V - V^{\dagger})
によって、2次元Euclid代数のユニタリ表現が定まる。Vはエルミート演算子でないけど、XとYは、エルミート演算子になっている。

Vの実部Xと虚部Yは、Vのユニタリー性から可換でないといけない。調和振動子の空間で、生成消滅演算子も実部と虚部に分けることができ、初等的な量子力学では、位置演算子と運動量演算子に対応するので、可換ではない。量子光学では、位置と運動量ではなく、直交位相振幅とか呼ばれることが多い

円周の座標を\phiとして、|n>が円周上の関数e^{-i n \phi}であれば、
 D \mapsto -\frac{d}{d \phi} , X \mapsto \cos \phi , Y \mapsto \sin \phi
としても同値な表現を得る。北門・大貫代数の定義式[V,N]=Vは、
[e^{i\phi} , i \frac{d}{d\phi}] = e^{i\phi}
と同じものと解釈できる。このような系は、円周上の量子力学と等価で、"位相演算子"Vが、円周上の位置演算子の役割を果たし、粒子数演算子は、円周上の運動量演算子に相当する。そういうわけで、円周上の北門・大貫代数は、CCR代数の変種であって、Susskind-Glogower演算子は、非常に惜しいことが分かる



光子の位相演算子としては、Pegg-Barnett位相演算子というのも、よく見かける。論文は、1989年に出ている

Phase properties of the quantized single-mode electromagnetic field
https://journals.aps.org/pra/abstract/10.1103/PhysRevA.39.1665

Pegg-Barnettの方法では、有限準位系に対して、(ユニタリーな)有限位相演算子を定義して、極限を取って、無限準位に移行するけど、数学的に正当化できるかは疑わしい



絶対位相は、位相演算子が定義できても、どうせ観測できないはずの量だから、位相差演算子が存在すればいいという考え方もありうる。

偏光状態の記述でよく使われる物理量に、Stokesパラメータがあり、測定装置なども販売されてるらしい。Stokesパラメータには、量子版のStokes演算子が存在して、偏光状態の記述に限らず、一般の2モード状態で定義できる。コヒーレント状態に対するStokes演算子の期待値を見ると、位相差に関する量を含んでいる。

(単一光子状態などでも使える)直交位相振幅の測定法として、バランス型ホモダイン測定という手法があるらしいけど、バランス型ホモダイン測定に於ける測定量は、2モードに於けるStokes演算子(の一つ)と見なせるようである。入射する光の一方が、コヒーレント状態にある光であれば、計算によって、直交位相振幅を測定できることが分かる(※)

※)参考文献:古澤明『量子光学の基礎』16〜17ページ。Stokes演算子とは書いてないけど、この本の中で、"バランス型ホモダイン測定の出力"だと書かれている式(1.64)は、Stokes演算子の一つになっている


Stokes演算子の期待値が位相差に関する情報を含んでいても、Stokes演算子自体は、位相差演算子ではない(丁度、単一モードでは、消滅演算子の固有状態がコヒーレント状態であるけど、消滅演算子は位相演算子そのものではないのと同様)から、2モードで位相差演算子を定義できるかというのは、自明な問題でもない。1993年に

Phase-difference operator
https://journals.aps.org/pra/abstract/10.1103/PhysRevA.48.4702

という論文が出ている。基本的には、位相差演算子が満たしてほしい条件(2.5a)(2.5b)を提示し、この2つの条件を満たしつつ、ユニタリー性を備える演算子(今までと同様位相のexponentialを与える演算子なので、エルミートではなく、ユニタリーであることを要求する)は存在しないので、どうしようという話。条件(2.5a)は、位相差演算子は、総粒子数演算子と可換という条件で、条件(2.5b)は、位相差演算子と相対粒子数演算子(の1/2)が、円周上の北門・大貫代数をなすという条件。

論文の条件(2.5a)(2.5b)が、自然であることは、例えば、以下のように考えれば分かると思う。仮に、2つの独立な北門・大貫代数(Nはエルミートと仮定する)
[E_1,N_1]=E_1 , [E_2,N_2]=E_2
があれば、形式的に
[E_1E_2^{\dagger} , N_1+N_2] = 0
[E_1E_2^{\dagger} , N_1-N_2] = 2E_1E_2^{\dagger}
と計算できる。E_1E_2^{\dagger}は、Susskind-Glogower演算子を使って書いた位相差演算子に相当する。少し条件を弱めて、
[E_{12} , N_1+N_2]= 0 , [E_{12} , N_1-N_2] = 2E_{12}
としたものが、条件(2.5a)(2.5b)。この2条件を満たすユニタリー演算子E_{12}が存在するか否かを考えてみることができる。論文では、古典的なPoisson括弧による関係式の量子化として、条件(2.5a)(2.5b)を書いている。いずれにせよ、この2つの条件は、成立してほしいと考える理由がある。


理想的な位相差演算子が存在しないことの証明は、以下の通り。条件(2.5b)から、位相差演算子と、相対粒子数演算子は閉じた代数をなし、位相差演算子がユニタリーであることを要求すると、二次元Euclid代数のユニタリー表現が定まることになる。ユニタリー性から位相差演算子は0でないけど、その場合、二次元Euclid代数のユニタリー表現は、必ず、無限次元である。一方、条件(2.5a)から、この二次元Euclid代数の作用は、総粒子数演算子と可換で、二次元Euclid代数の作用は、総粒子数一定の空間で閉じる必要がある。総粒子数nの部分空間の次元は、n+1で有限だから、条件(2.5a)(2.5b)と位相差演算子のユニタリー性を同時に満たすことはできない

常識的に考えれば、一方の粒子数が0の時は、干渉させることはできないので、位相差は定義できない。実際に、条件(2.5a)(2.5b)を満たすように位相差演算子を決めようとすると、問題を起こすのは、どっちかの粒子数が0の場合なので、問題の根源は、単一モードの時と変わらないと思われる。また、Stokesパラメータには、位相差のcosとsinに比例するパラメータがあり、通常、atanを計算することで、位相差がわかるが、一方の強度が0の場合、この2つのパラメータは、どっちも0になってしまい、位相差は不定となる

可能な選択肢は3つある。
(1)ユニタリー性を諦める。この場合、条件を満たす演算子は、Susskind-Glogower演算子を使って書けるものに限ることが示せる
(2)条件(2.5a)を諦める。RNS位相演算子や、Shapiro-Wagner位相演算子というもの(※)が知られていて、二乗すれば、条件(2.5b)を満たすユニタリー演算子となる
(3)条件(2.5b)を諦める。この場合、可能な演算子は、論文の式(2.13)で定義されるものに限る。論文著者の名前を採って、Luis-Sanchez-Sotoの(位相差)演算子と呼ばれることがある


※)RNS位相演算子については、以下に日本語の解説がある(RNS位相演算子は、一方のモードを、真空状態に取ることで、もう一方の位相を定義している)
位相演算子とその応用 : 量子光学系におけるコヒーレンスと散逸
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/94961

Shapeiro-Wagnerの論文は、以下であるけど、Shapiro-Wagner位相演算子を実際に導入したのは、Hradilという人のようである
Phase and amplitude uncertainties in heterodyne detection
https://ieeexplore.ieee.org/document/1072470

Shapiro-Wagner位相演算子とRNS位相演算子がユニタリ同値だということは、以下で主張されている
Unitary equivalence between ideal and feasible phases
https://journals.aps.org/pra/abstract/10.1103/PhysRevA.50.2785


理想的な位相差演算子は存在せず、少なくとも、4つの位相差演算子の候補がある。多分、どれが正しい定義とかいうのはなくて、どの位相差演算子も("実部"と"虚部"に分解すればエルミートだから)測定できる可能性はある